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2016.12.21会計・税務預貯金は遺産分割の対象
平成28年12月19日、最高裁判所大法廷において、預貯金も遺産分割の対象とすることに変更されました。
設例を用いて、従前の取扱いと判例変更後の取扱いについて、説明いたします。
例)親が死亡し、子A・子Bが唯一の財産である預金1,000万円を相続することになりました。
また、子Aは、親から生前贈与により預金1,000万円を受け取っていました。
【従前の取扱い】
子A、子B各々は、預金500万円(法定相続分1/2)を独自に引き出せました。
その際、子Aの親からの生前贈与預金1,000万円(特別受益)について、考慮する必要はありませんでした。
その結果、親から取得した財産合計は、子Aは、1,500万円、子Bは、500万円になり、不公平な遺産分割となってしまうことがありました。
銀行実務では、その後の争いを避けるために、相続人である子Aと子Bの全員の同意(遺産分割協議書等)がないと
預金の引き出しに応じないことが一般的でした。
その際には、弁護士から民法の法定相続分の引き出し要求があると、銀行が預金の引き出しに応じていました。
【新判例の取扱い】
子A、子Bは、預金を遺産分割の対象としなければ、預金1,000万円を引き出すことができません。
したがって、子Aは、銀行から相続財産である預金を他の相続人である子Bと遺産分割協議をし、
その合意(遺産分割協議書等)なくして、引き出すことはできなくなりました。
また、預金が遺産分割の対象となったことで、子Bが、預金1,000万円全額を受け取る遺産分割とすることができるようになりました。
その場合には、親から取得した財産合計は、子A、子B双方とも1,000万円となり、公平な遺産分割が可能になりました。
裁判内容の詳細は、下記裁判所URLをご参照ください。
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=86354
(文責:税理士K.清水)
設例を用いて、従前の取扱いと判例変更後の取扱いについて、説明いたします。
例)親が死亡し、子A・子Bが唯一の財産である預金1,000万円を相続することになりました。
また、子Aは、親から生前贈与により預金1,000万円を受け取っていました。
【従前の取扱い】
子A、子B各々は、預金500万円(法定相続分1/2)を独自に引き出せました。
その際、子Aの親からの生前贈与預金1,000万円(特別受益)について、考慮する必要はありませんでした。
その結果、親から取得した財産合計は、子Aは、1,500万円、子Bは、500万円になり、不公平な遺産分割となってしまうことがありました。
銀行実務では、その後の争いを避けるために、相続人である子Aと子Bの全員の同意(遺産分割協議書等)がないと
預金の引き出しに応じないことが一般的でした。
その際には、弁護士から民法の法定相続分の引き出し要求があると、銀行が預金の引き出しに応じていました。
【新判例の取扱い】
子A、子Bは、預金を遺産分割の対象としなければ、預金1,000万円を引き出すことができません。
したがって、子Aは、銀行から相続財産である預金を他の相続人である子Bと遺産分割協議をし、
その合意(遺産分割協議書等)なくして、引き出すことはできなくなりました。
また、預金が遺産分割の対象となったことで、子Bが、預金1,000万円全額を受け取る遺産分割とすることができるようになりました。
その場合には、親から取得した財産合計は、子A、子B双方とも1,000万円となり、公平な遺産分割が可能になりました。
裁判内容の詳細は、下記裁判所URLをご参照ください。
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=86354
(文責:税理士K.清水)